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薬屋のひとりごと 16 book cover
薬屋のひとりごと 16
2025
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皇帝の手術を無事に終えてから半月、季節も冬へと近づいていた。 術後の治療を上級医官に替わってもらったおかげで、 猫猫(マオマオ)の日常は忙しくも平常運転へと戻っていた。 そんなある日、老医官に届いた文を読んだ妤(ヨ)の顔色が変わった。 「怖いことになるかもしれない」。 その文には水膨れができた患者が増えていると書かれていたのだ。 嫌な予感がする猫猫だったが、その心配は当たってしまった。 「疱瘡(ほうそう)の発生」。 感染力、致死率が高く、顔や身体に痕が残りやすく恐れられている流行り病だ。 特効薬はなく、猫猫でも今から見つけることは不可能だろう。 感染が広まれば村一つが閉鎖することもあるという。 そんな絶望的な状況に一筋の光を放ったのは、 かつて疱瘡から快復した経験を持つ妤の一言だった。 「私が生き残ったのは、そのお医者さんのおかげです」。 疱瘡に詳しい民間の医者——猫猫が知るのは克用(コクヨウ)しかいなかった。 猫猫が時折、花街の薬屋に応援を依頼する、顔半分に疱瘡の痕がある美青年。 厄介な感染病の大流行に備えて医者はいくらいたっていい。 しかも疱瘡の知識と耐性があるならなおさらだ。 克用は医官たちの面接を経て採用され、妤と共に感染が広がりつつある 人口数百人の農村に派遣されることになった。 また、ある時、猫猫は壬氏(ジンシ)から皇太后の実家の当主の娘が、 とある人物に呪いをかけたのではないかとの相談を持ち掛けられる。 当主の娘とは妾の子であり、皇太后の姪にあたる病弱な梔子(ジーズー)。 その姪を助けてほしいという「皇太后からの頼み」により猫猫が調べを進めると、 梔子に毒が盛られていた疑いが出てくる。 そして、その背景には母親である妾の思いが透けて見えてくるのだった。 一方、疱瘡の感染拡大防止に奮闘していた妤から話を聞いていた猫猫に、 大きな疑問が浮かんだ。 「その疱瘡はどこから来たのか?」。 疱瘡の感染源を調べるうちに、猫猫たちは衝撃の事実にたどり着くのだが……。

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