Margins
江戸怪談 book cover 1
江戸怪談 book cover 2
江戸怪談
Series · 2 books · 2002-2010

Books in series

覘き小平次 [Nozoki Koheiji] book cover
#2

覘き小平次 [Nozoki Koheiji]

2002

『嗤う伊右衛門』で、斬新なお岩像を創出した京極夏彦が、ふたたび名作怪談を現代に蘇らせた意欲作。オリジナルは、1803年(享和3年)に出版された山東京伝の読本『復讐奇談安積沼』(ふくしゅうきだんあさかのぬま)である。1853年(嘉永6年)には、歌舞伎狂言作家、河竹黙阿弥による『怪談小幡小平次』として舞台化もされたこの物語は、幽霊しか演じることのできない役者が、自分を殺した男と、裏切った妻を祟り殺すという怪奇談である。 一日中、押入れ棚に引きこもり、わずかの隙間から世間を覗く、売れない役者、小平次。妻のお塚は、一向にその不気味な性癖がおさまらぬ亭主に悪態をつく毎日である。そんなふたりのもとへ、小平次の友人で囃子方の安達多九郎が訪ねてくる。禰宜町の玉川座が、次回の狂言怪談の幽霊役に小平次を抜擢したという。一座の立女形、玉川歌仙の依頼を受け、奥州へと向かう小平次。しかしその興行の裏には、ある仕掛けが施されていた…。 京極は、自身の著作『巷説百物語』に登場する又市や事触れの治平らを絡めながら、死霊が主役の怪談劇を、生者が主役の愛憎劇へと見事に変貌させている。小平次を嫌いながらも別れようとしないお塚、小平次を罠にはめる多九郎、小平次に父の屍を重ねる歌仙。本書は、死人のような小平次にいら立ち、自らの嫉妬、猜疑、憤怒を目の当たりにして人生を狂わせていく生者たちの物語である。彼らが小平次の屋敷で繰り広げる凄惨なラストシーンからは、血生臭い匂いとともに、やるせない哀しみが押し寄せてくる。(中島正敏)
数えずの井戸 book cover
#3

数えずの井戸

2010

数えるから、足りなくなる――。暗く冷たい井戸の端で、「菊」は何を見たのか。それは、はなかくも美しい、もうひとつの「皿屋敷」。怪談となった江戸の「事件」を独自の解釈で語り直す、傑作怪談!

Authors

京極 夏彦
Author · 5 books

1963年生まれ。北海道小樽市出身。 世界妖怪協会、全日本妖怪推進委員会肝煎。 古典遊戯研究会紙舞会員。お化け大學校・水木しげる学部教授。 1994年 「姑獲鳥の夏」でデビュー。 1996年 「魍魎の匣」で第49回日本推理作家協会賞長編部門受賞。 1997年 「嗤う伊右衛門」で第25回泉鏡花賞受賞。 2000年 第8回桑沢賞受賞。 2003年 「覘き小平次」で第16回山本周五郎賞を受賞。 2004年 「後巷説百物語」で第130回直木賞受賞。 2011年 「西巷説百物語」で第24回柴田錬三郎賞受賞。 2016年 遠野文化賞受賞。

Natsuhiko Kyogoku
Natsuhiko Kyogoku
Author · 18 books

Natsuhiko Kyogoku ( 京極 夏彦 Kyōgoku Natsuhiko, born March 26, 1963) is a Japanese mystery writer, who is a member of Ōsawa Office. He is a member of the Mystery Writers of Japan and the Honkaku Mystery Writers Club of Japan. Three of his novels have been turned into feature films; Mōryō no Hako, which won the 1996 Mystery Writers of Japan Award, was also made into an anime TV series, as was Kosetsu Hyaku Monogatari, and his book Loups=Garous was adapted into an anime feature film. Vertical have published his debut novel as The Summer of the Ubume. (from Wikipedia)

548 Market St PMB 65688, San Francisco California 94104-5401 USA
© 2025 Paratext Inc. All rights reserved