時は『悪ノ娘』から約350年さかのぼった、エヴィリオス歴136年。ベルゼニア帝国の北部に位置するアスモディン地方は、ベルゼニアの五公・ヴェノマニア家によって統治されていた。しかし、若き公爵サテリアジス=ヴェノマニアは、数年前に起きた痛ましい事件によって心を閉ざし、屋敷の中に侍従を置かずうらぶれた生活を送っていた。ある時、彼の治めるアスモディン地方で、女性の失踪事件が相次ぐ。それは庶民にとどまらず、いつしか貴族、そしてベルゼニア皇族にまで被害は広まっていった――。 【大罪の悪魔】が引き起こす美しき悲劇が、今、幕を開ける。